在宅介護・公的施設・民間施設の費用比較

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在宅介護・公的施設・民間施設の費用比較

在宅介護と施設入居の費用は、公的介護保険の自己負担額だけでなく、住居費や食費といった「生活費」がどこで発生するかによって大きく変わります。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、それぞれの月額平均費用は「在宅介護」が約5.3万円、「施設介護」が約13.8万円となっており、施設入居は在宅介護の2.5倍以上の費用がかかる傾向にあります。また、介護期間(現在介護を行っている人は、介護を始めてからの経過期間)は、平均55.0カ月(4年7カ月)になりました。4年を超えて介護した人は約4割となっています。

実際のケアプランを想定した具体的な費用比較例を以下に挙げます。

費用比較の具体例(要介護3・自己負担1割の場合)

日常生活に全面的な介助が必要になり、特別養護老人ホーム(特養)への入所要件を満たす「要介護3」の高齢者をモデルとした月額費用の比較例です。

費用項目 ① 在宅介護の例② 公的施設(特養)の例③ 民間施設(有料老人ホーム)の例
入居初期費用0円※住宅改修等を除く)0円10万〜数百万円
介護サービス費約2.7万円(支給限度額まで利用)約2.4万円(施設介護サービス費)約2.5万円(特定施設入居者生活介護)
居住費/家賃0円(持ち家・同居を想定)約6.2万円(ユニット型個室)約10万〜15万円(管理費含む)
食費約4.5万〜5.4万円(在宅の食費)約4.3万円約5万〜6万円
日常生活費・雑費約1.5万円(おむつ代・光熱費増分)約1.0万円(理美容代・日用品)約1.5万〜2万円(医療費・おむつ代)
月額合計の目安約8.7万〜9.6万円約13.9万円約20万〜25.5万円

各パターンの費用内訳と特徴

① 在宅介護:月額 約9万円

自宅で暮らすため、新たな家賃(居住費)は発生しません。

  • 内訳の特徴:週3回のデイサービス、週2回の訪問介護、ベッドや車椅子のレンタルを組み合わせて限度額(要介護3の上限:約27万円)の範囲内でやりくりした場合、自己負担は1割の約2.7万円に収まります。
  • 隠れた費用:本人が自宅にいる時間が長くなるための光熱費の増加や、大人用おむつ代などの実費、介護を始める際の手すり取り付けなどの「住宅改修費(初期費用)」が別途発生します。

② 公的施設(特別養護老人ホーム):月額 約14万円

社会福祉法人などが運営する公的な介護施設です。入居一時金は原則不要です。

  • 内訳の特徴:定額の施設介護サービス費、部屋代(居住費)、食費が基本となります。
  • 費用を抑える制度:本人の所得や世帯の貯蓄額が一定基準以下の場合、「補足給付(負担限度額認定)」という国の制度が適用され、居住費と食費が大幅に減額されるため、月額7万〜8万円程度まで下がるケースもあります。

③ 民間施設(介護付き有料老人ホーム):月額 約23万円

民間企業が運営するため、手厚いサービスや個室環境が整っている分、費用は高くなります。

  • 内訳の特徴:家賃や管理費がビジネスホテルのように設定されており、都市部ほど高額になります。
  • 注意点:月額費用のほかに、数万円〜数百万円の「入居一時金(前払い家賃)」が必要となる施設が多く、まとまった初期費用を用意する必要があります。

コストを比較する際のチェックポイント

1.家族の労働負担(機会損失)

在宅介護で家族が仕事をセーブしたり離職(介護離職)したりした場合、世帯収入が大きく減少します。目に見える介護費用が安くても、経済的トータルではマイナスになるケースがあるため注意が必要です。

2.要介護度が上がったときの影響

在宅介護の場合、状態が重くなると利用する介護サービスが増え、保険の支給限度額を超えた分は「全額自己負担」になっていくため、結果的に施設より高くなることがあります。

3.資産の寿命のシミュレーション

介護期間の平均は約5年前後と言われています。本人の「年金受給額」と「預貯金」だけで、民間施設なら年間250万〜300万円の支出を5年〜10年間維持できるかを事前に計算しておくことが大切です。

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