回復期リハビリテーション病院(病棟)とは

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回復期リハビリテーション病院(病棟)とは

回復期リハビリテーション病棟とは、急性期の治療を終え、症状が安定した患者に対し、在宅や社会復帰を目指して集中的なリハビリを提供する専門病棟です。

主な特徴と目的

  • 在宅復帰がゴール:寝たきりを防ぎ、日常生活動作(ADL)の能力を向上させます。
  • 生活すべてがリハビリ:訓練室だけでなく、着替え・食事・排泄など病棟生活全体をリハビリと捉えます。
  • 多職種チームでのサポート:医師、看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、社会福祉士(MSW)などがチームを組みます。
  • 手厚い訓練時間:患者の体力に合わせ、1日最大3時間(9単位)の集中的なリハビリを提供するため、身体機能の大幅な回復が期待できます。

注意点: 入院できるのは「脳卒中発症後2ヶ月以内」「大腿骨骨折手術後2ヶ月以内」など、発症からの期間と疾患が厳しく決まっており、認知症のみなどの場合は原則入院できません

回復期リハビリテーションで行われるリハビリの種類

回復期では、患者一人ひとりの症状に合わせて以下の3つのリハビリを組み合わせて集中的(1日最大3時間)に行います。

  1. 理学療法(PT
    寝返る、起き上がる、立つ、歩くといった基本動作能力の回復を訓練します。
  2. 作業療法(OT
    食事、着替え、入浴、トイレなど、日常生活を送るための応用動作や、社会復帰に向けた訓練を行います。
  3. 言語聴覚療法(ST
    脳血管障害などによる「話す」「聞く」といった言語障害や、物を飲み込む「嚥下(えんげ)障害」の訓練を行います。

リハビリ対象となる疾患と入院期間(医療保険)

厚生労働省の診療報酬制度によって、疾患ごとに集中的なリハビリが可能な期間(日数)の上限が定められています。

1. 脳および神経の疾患(上限:150日〜180日)

  • 180日以内:高次脳機能障害を伴う重症の脳血管障害、重度の頸髄損傷、頭部外傷を含む多部位外傷
  • 150日以内:脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脊髄損傷、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、多発性硬化症など

2. 骨や関節のケガ・手術(上限:90日)

  • 90日以内:大腿骨頚部骨折、骨盤骨折、脊椎骨折、股関節や膝関節の骨折、2肢以上の多発骨折
  • 90日以内:股関節または膝関節の人工関節置換術後の状態

3. 靭帯や筋肉の損傷(上限:60日)

  • 60日以内:大腿骨、骨盤、脊椎、股関節、または膝関節の神経・筋肉・靭帯の損傷

4. 体力の低下・廃用症候群(上限:90日)

  • 90日以内:外科手術や肺炎などの治療で長期間安静にしていたことにより、全身の筋力や身体機能が低下した状態(廃用症候群)

5. 心臓の疾患(上限:90日)

  • 90日以内:急性心筋梗塞、狭心症、その他手術を要した心大血管疾患

上記はあくまで「国が認めている最長期間」です。実際の平均的な入院期間は70日〜90日程度であり、症状の回復具合や在宅復帰の準備状況に合わせて退院時期が決まります。

回復期リハビリから介護保険リハビリ

回復期リハビリ病棟を退院した後もリハビリを継続することはとても大事なことです。この移行は単に「保険の都合で打ち切られる」のではなく、「機能を取り戻すリハビリ(医療)」から、「今ある機能を落とさず、自宅で安全に暮らすためのリハビリ(介護)」への前向きな作戦変更と考えるのが適切です。実際に、多くの皆さんが介護保険を使ったデイケア(通所リハビリ)訪問リハビリに切り替えて、生活機能を維持しています。

医療保険の期限 =「症状固定」の目安

医療保険の回復期リハビリには、最大180日などの期限(標準的算定日数)があります。これは国のルールであると同時に、医学的に「この期間を過ぎると、病気そのものによる大きな機能回復のペースが緩やかになる(=症状固定に近づく)」というデータに基づいています。そのため、医療保険の期限が保険を切り替える大きな節目となっています。

自宅復帰後の最大の敵「廃用症候群」

病院での集中的な生活から自宅に戻ると、どうしても「動く量」が減ってしまいがちです。人間は体を動かさないでいると、わずか1週間でも筋肉が痩せ、関節が硬くなり、心肺機能が低下します。これが「廃用症候群(生活不活発病)」です。せっかく回復期病院で歩けるようになっても、自宅で寝たきりに近い生活を送れば、あっという間に元の状態に逆戻りしてしまいます。

介護保険リハビリの役割は「維持と定着」

症状固定を迎えた後の介護保険リハビリ(通所リハビリや訪問リハビリ)は、以下のような目的で実施されます。

  • 廃用症候群の徹底的な予防:定期的に体を動かす機会を作り、筋肉や関節の衰えを防ぎます。
  • 自宅での「できること」を増やす:病院のきれいな床ではなく、自宅の段差や狭いトイレなど、実際の生活環境に合わせて動作を練習し、定着させます。

つまり、この移行は単に「保険の都合で打ち切られる」のではなく、「機能を取り戻すリハビリ(医療)」から、「今ある機能を落とさず、自宅で安全に暮らすためのリハビリ(介護)」への前向きな作戦変更と考えるのが適切です。

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